トークテーマ「歌って踊る」

歌って踊る人たちが好きです。今は主に『THE FIRST』について語ります。

11月3日デビュー「BE:FIRST」はアイドルなのか?アーティストなのか?

本日デビューを迎えたBE:FIRST。世に放たれたデビュー曲「Gifted.」は、まだ何者でもないグループの可能性をデビュー曲にしてここまで大きく広げられるものなのかと心底驚きました。

それと同時に彼らが、そして所属事務所の社長である日高光啓(SKY-HI)さんが背負うもの、掲げるものの大きさに、5年後10年後までワクワクドキドキしていたりもしています。

 

そんなデビューしたてでまだ何者でもないグループであり、何者にでもなれることを「Gifted.」で証明したBE:FIRST。

 

そんな彼らはアイドルなの?アーティストなの?

 

 

アイドルとアーティストで優劣つけられるもの?

BE:FIRSTに限った話ではないですが、SNSなどでアイドル的に応援している人たちに対して「彼らはアイドルではなくアーティストなんだ!」と釘をさす場面に何度か遭遇したことがあって、それってつまりアイドルを下に見ている?と。それがこのブログを書くきっかけでもあるのですが…。

 

特にボーイズグループ市場は多い気がしているのだけど、アイドルとアーティストって何で対の関係というか、いがみ合いしがちなんでしょうね。

 

これは私の個人的な解釈なのですが、

 

アーティストと呼ばれる人たちは、音楽家はもちろんダンサーなど体で音楽を表現する人もいるし、絵画などの美術や動画など映像を作る人たちだっている。伝統芸能もそう。ヘアメイクのような美容もアーティストって呼ばれている。

 

つまり、何かを極めて、創ったり表現する人はみんなアーティストなんだと思うんです。

 

ということは、アイドルがアイドルとしてのパフォーマンスやビジュアル、またアイドルという生き方を極めていたとしたらそれもまたアーティストと呼んでいいはず。

 

だから私は音楽性だけでアーティストと対で並べてアイドルを色眼鏡で見たり下に見たりする表現はどうも違和感を感じてしまうわけです。

 

アイドルとアーティストって何が違うの?

とはいえ、日本の音楽シーンではアーティストと呼ばれる人たちがいる一方でアイドルというジャンルが確立されているのも事実なので、並べられるものでもあることは承知していたりもする。

 

ではその場合のアイドルとアーティストの違いは何だろう。

 

これも私の個人的な解釈ですが、

その人が創って表現した作品にファンがつくのがアーティスト

その人が表現して創った作品を通して見える人物像やストーリー性にファンがつくのがアイドル

じゃないかなって。

つまり、アーティストであるか、アイドルであるかというのはファンの受け取り方が大きく関わってくるのではないか、と思うんです。

 

もちろんアーティストは人間性が全く問われないと言うわけではなくて、アーティストが創ったものにそのアーティストの人間性は宿っているはず。

また、アイドルだって人間性がよければ何でもいいというだけではなく、どれだけ作品を磨く人なのかという意味で人物像に作品のクオリティが影響することだってあるとは思います。

 

また、アーティストと呼ばれる人たちのアイドル性を見出だしてアイドル的に応援する人もいるだろうし、アイドルと呼ばれる人たちのことはよく知らなくても音楽が素敵だからと曲を聴く人がいることもあって、そこはコンテンツの受け手の自由であるはずですよね。

 

では何がアーティストかアイドルかを決定付けるかと言えば、単純にプロダクションがタレントを「どう売りだすか」というか「ファンをどう導くか」が左右しているのでは?なんて思うんです。

 

BE:FIRSTはどっちなのか?

となるとBE:FIRSTは、どっちも当てはまりませんか?

現状ファンはどちらの楽しみ方もしていますから。

 

で、なぜそのような二面性があるかといえば、日高社長の「戦略」でしかないかと思います。

 

そもそも日高社長はTHE FIRSTで「アイドルでもアーティストでもどちらでもいい」といったことも話していたたわけです。

 

だからボーイズたちの人間性を愛しながらストーリーも見せることができる大規模な「オーディションのドキュメンタリー」からBE:FIRSTはスタートしたわけですし、デビューに向けたプロモーションでも、テレビやラジオ、アイドル雑誌でアイドル的なキラッキラの姿も見せてくれています。何よりCDの特典はアイドルの王道ですよね。アーティスト一本で売り出したいならやらない選択ばかりかと思います。

 

一方で、オーディションの時から音楽面だけでもファンがつくような指標(クリエイティブ、クオリティ、アーティシズム)を設けていたわけですし、一般的なデビュー曲らしくない曲で大物アーティストのようにギリギリまで解禁せずビルボードを狙うという異例の戦略を打ち出しています。こちらもアイドル的な人気で活動していくなら絶対にしない選択。

 

ちなみに、これは特に個人的な印象ですが、日高社長自身、根っからのオタク気質に見受けられますし、アイドルオタクのファンパワーみたいなことは重々理解していて、ファンの気持ちのやり場となるような支援の場(クラウドファンディング)を設けたり、アイドル的な応援が楽しくなるようなボーイズたちのわちゃわちゃ感も大事にして発信していますよね。(何より自分が一番のオタクであるような発言が印象的ですし。笑)

もちろん、アイドルのあり方についてBMSGは問題定義しているけど、結果、win-winになる形でアイドル的な部分に歩み寄っているように見えますし、それで消費されることがないようにメンバーたちのケアにはきっと重点を置いていることでしょう。だから別にアイドル的戦略は「致し方ないという感じはしない」です。

 

つまり、強固な活動の基盤になりうるファン層を獲得するためのアイドル的な戦略と、作品を不特定多数に届けて理想を実現するためのアーティスト的な戦略を良いとこどりで組み合わせるという、そのような「型破りなデビュー」になっているように思います。

 

これはまさにSKY-HIとして、そしてAAAの日高光啓としてそれぞれの「型」をもがきながら全うしてきた日高社長だからこそなせる技。

 

そもそもここ最近のボーイズグループの指標となっているBTSだってどちらの要素も持ち合わせているわけで、あの世界的なアーティストのビートルズだって当時はアイドルだって言われていたのは有名な話。

 

だから私は、

BE:FIRSTはアーティストとアイドルどちらでもないし、どちらでも誇っていい。

どちらにでもなれるし、どちらにもフィットできる。

そんな全方位にアプローチできる日本発のボーイズグループにBE:FIRSTはなれるのではないか?

 

とワクワクしています。

 

作品にファンがつく強みも、メンバーやグループにファンがつく強みもどっちも生かして音楽的にも規模的にもどんどん高みを目指していけるならどちらでもよくないですか?

どちらに決めようとするだけ疲れるというか、まさに正解?ナニソレ?知らねぇです。

 

それで元気がなくなっていると言われている日本の音楽シーンの底上げになったらシンプルに素敵!

 

というわけで、アイドルのいいところがあり、アーティストのいいところもある、そんな日本では新しい概念のグループが誕生する瞬間に立ち会えて幸せだったな、と振り返って実感できる日をワクワクしながらBESTYを気楽に楽しみたいと思います。